- 幡多地域における自由民権運動の本拠地としての系譜を引き継ぐ邸宅
林家は近代日本で初めて、林 有造、譲治、迶と三代続けて大臣を輩出し、親類の吉田茂(政治家)、竹内明太郎(小松製作所(現コマツ)創業者)らと共に近代日本の発展をリードした一家です。林邸は林有造の邸宅として明治22年(1889年)に建設され、幡多地域における自由民権運動の本拠地として重要な役割を担いました。以来、130年以上に渡り、自由民権運動の系譜を連綿と引き継ぐ邸宅として親しまれてきました。
- 近代日本の政治を支えた特徴的な空間
当時の政治家支援者の集いの場だった林邸には、連続する大きな座敷や、客座敷・客席のための「月見の間」の他にも、刺客に備える見張り番が控える正面玄関上の「見張り部屋」や、一階と二階をつなぐ隠し梯子など、独特の機能を多彩かつ優美に盛り込んだ建築となっています。また、これだけの規模の歴史的な住居建造物は宿毛市内ではもちろんのこと、高知県内にも残されておらず、地域の記憶装置としても重要な役割を担っています。
- 歴史と記憶を未来へ継承する住民活動の場へ
平成29年(2017年)に林邸は宿毛市へ寄贈され、貴重な歴史や地域の記憶を未来へ継承するために地域住民の意見が集められました。その結果、単に昔の姿を保存・復元するだけではなく、地域の人たちの活動や歴史が未来へ紡がれていく住民活動と交流の場、新たな歴史観光施設として生まれ変わり、平成30年(2018年)4月21日より運営が開始され、現在にいたります。
○名 称 : まちづくり会社ドラマチック
○所在地 : 東京都台東区下谷1-11-15ソレイユ入谷2階 reboot
○代表社員: 今村 ひろゆき
○T E L : 03-6231-7619
○F A X : 03-6231-7612
○問 合 せ : hello☆drmt.info(☆を@に)
○概要 : クリエイター向けアトリエ・オフィス・ショップの拠点開発・不動産再生を行い、拠点の立地する街の資産に注目したイベントやプロジェクトを展開。一連の活動を通じ地域を耕し、街にユニークな人材や活動が根づく土壌をつくっていきます。
○メッセージ:
「活かす、繋ぐ、しかもドラマチックに」をテーマにまちづくりの企画運営を行います。
モノも建物も飽和状態の今、もう、お金をかけて新しい建物をつくるだけではまちは元気になりません。既存の建物を再生・活用し、そこに面白い人や活動が根づき、ネットワークを広げ、彼らの活気がまた新しい人を呼び、にぎわいをつくる。
そんなサイクルがあれば、まちは元気になり、たくさんの人が街に愛着を持つようになります。ハードだけではなく、ソフトとして人や活動を応援する仕組みを充実させたい。ドラマチックは、そのような視点でプロジェクトを進めています。
○名 称 : 有限会社ナスカ一級建築士事務所
○所在地 : 東京都新宿区戸山3-15-1日駐ビル4F
○代表取締役: 古谷 誠章 建築家・早稲田大学教授
早稲田大学院卒・一級建築士
八木佐千子 建築家
早稲田大学院卒・一級建築士
○T E L : 03-5272-4808
○F A X : 03-5272-4021
○問 合 せ : nasca☆studio-nasca.com(☆を@に)
○概要 : 都市計画に関する企画、調査、設計及び監理と、建築物の企画、設計、監理及びコンサルタント業
○メッセージ:
建築とは、それ自体が記憶装置だと言えます。この林邸が将来にわたって残り、人々が使い続け、人々がじかにその空間を体験することを通して、自由民権運動が花開いた近代日本の黎明期を、生き生きと思い起こすことができます。
これからも内外からここに集うみなさんが、宿毛のそして日本の、過去と未来を結ぶ、大切なかすがいとなってくださることを願っています。